LOADING

コンテンツ CONTENTS

木版画の「彫り表現」の基本は「陰刻」と「陽刻」

ユリの花を「陰刻」で表す
◯月◯日のハーフデイ木版画体験教室に現れたのは、
リタイア後の時間を有効に過ごすための趣味探しの男性。

まったく無趣味、仕事一筋の人生だったそうで、
ネットを探した息子さんの勧めで体験に参加したといいます。
絵などまったく描いたことがなくて・・・、と少し恐縮の体。

そんなわけで、お仕事の話などから好きなものを探ると、
なんと「花」を愛でるのが好きなのだとか。
「ユリなんか・・・」とか。

ということで、園芸カラー百科などめくりながら、
筆を一本取り出して、ユリの花を落書きしてもらいました。
それから少し場所の配置などを相談して、筆ラインだけの「下絵」が完成。

時間がかかるので小さな版木にして、
中心線から左右に同じ下絵を転写してもらいました。
これで、木版表現の基本になる「陰刻」と「陽刻」を学びます。

上の図は、輪郭線を彫っただけの「陰刻表現」の部分です。
線を彫っていくだけなので、まったくの初心者でも気軽に取り組めます。


線を残して「面」の部分を彫っていくから、彫り方はやや複雑な「陽刻」

陽刻のユリの花
同じ図柄を左右逆転写してありますから、図柄の形は実は同じ。
しかし、「陰刻表現」と「陽刻表現」では、
出来上がりのイメージは大きく異なります。

一色、つまり単色の木版画(「モノクロ版画」と呼ばれます)は、
「陰刻表現」の部分と「陽刻表現」の部分とを巧みに一枚の絵の中に組み合わせて、
より複雑な表現の絵画世界を生み出していくのです。

黒白木版画は、小学校の図画工作でもみなさん経験済みと思われますが、
紙の白色と版の黒(別色でも同じです)との折なす絶妙なコントラストの世界です。

その基本を、この日の体験教室で学んでいます。


身近な「ハンコ」の世界は、実は木版画の世界と同じ

ハンコ
「陰刻」「陽刻」というとやたら難しそうに感じられますが、
要は、メインになる形の部分を凸で表現しているか、凹で表しているかの違いです。

これらは、私たちの生活の身近にあるハンコのつくり方と同じです。
書道をやる方々は、よく「落款(らっかん)」という石のハンコをつくりますね。

このとき、文字の線を彫って白く浮かび出させるのが「白文」。つまり「陰刻」です。
逆に、文字の線を彫り残して、周りの地を白く彫ってしまう「朱文」。これが「陽刻」です。

考えてみると、木版画は私たちの身近なところにたくさん利用されてもいます。
気楽に作品づくりを楽しむことは、生活を楽しむこととおなじです。
一度体験してみろといいでしょう。


外部リンク 木版画体験教室参加募集中

木版画を体験してみたい方、下記のリンクからお申込みできます。
自分の好きな日にちを希望して、体験できます。


ワンデイかハーフデイかを決める。
都合の良い日を3日選んで連絡する。
決定日と当日詳細の連絡を待つ。


木版画教室 ゆう ワンデイ体験教室
木版画教室 ゆう ハーフデイ体験教室
木版画教室 ゆう オンライン教室